新しくやってきた職場での、Sさんのストーリー。
少しお付き合いください。
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この場所は、僕が尊敬する人と出会い、新しい人生がスタートした、
思い出深い始まりの場所でもあります。
なぜこの場所にやってきたかというと、環境を変えるため。
上司から「人間関係が大きくこじれてしまった店舗があります。ぜひSさんの力を貸してほしい。」
そう言われて急遽やってきたのです。
勤務初日はそんなに大きな違和感を感じませんでした。
みんなしっかり教育されていますし、お客様が来たら問題なく過ごしています。
従業員同士も楽しそうに会話していて、しっかりコミュニケーションが取れている。
「どこにそんなおかしなところがあるんだろう?」
むしろ自分がここに来る意味がわからないような状態でした。
それから数日後、そこで働く中心人物の一人が、休憩中に他の人とご飯を食べていました。
ちょっと相談事があったので、休憩中ではありましたがお邪魔して話を聞いてもらったのです。
さすがいろいろと仕切っている方だけあって、僕の相談に対してすぐに的確な回答をくれました。
さっそくその回答をヒントに店内をいじり始めました。
しかし、それが引き金となろうとは。
新しい人間が来た店内の緊張が、一気にはじけ飛んだ瞬間でした。
後日、他の方から「これ動かしたの誰?」と怒号に近い声が聞こえたのです。
「あ、ごめんなさい。それ僕がやりました!〇〇さんからアドバイスをもらっていいと思ったので。」
すると、その方は「はあ?何勝手に決めてやってんの?」とマジギレ。
その場で元に戻されてしまいました。
初日は二人とも仲良く話していたのに、何がどうなってるのか。
ただただ頭が混乱するばかりでした。。
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と、そこで実家からの着信が。
なんと、父が救急車で運ばれたとのこと。
父は血圧が高く、今は通常の生活を過ごしていますが、
激しい食事制限と定期的に通院をして診断してもらっている日々を過ごしていました。
そんな父が運ばれたとなると、覚悟が必要になる。
上司とも相談し、お店での段取りを済ませ、その日は早退して病院へ駆けつけました。
ちょうど病院に着き、入院の手続きをしている間待っていた父は元気そのもの。
いったい何が起こったのか?
その場にいた方に事情を聴くと、父は買い物に出かけたそうで、そこで急に倒れたのだそう。
おそらく久しぶりに外出したため、体がついてこず、
意識にまで影響があったのではないかということでした。
幸い怪我もなく、命に別状がなかったので一安心でした。
しかし、もう一つ頭を悩ませる問題が。
それは、入院費。
実は父は数年前事業に失敗し、多額の借金を背負っており、僕も一部負担しているほど。
そんな状況での緊急入院だったので、いったいいくらかかるのか。
その場では先生にも聞けず、ただただ不安な気持ちでいっぱいになるのでした。
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そんな慌ただしい一日が終わり、若干寝不足のまま次の日お店へ出勤すると、
なんとなくみんなの僕を見る目が冷たいように感じました。
というより、いつもなら元気に挨拶するとみんな笑顔で返事をしてくれるのですが、
誰も笑ってくれないのです。。
どちらかというと、僕から意図的に距離を取ろうとしているのがわかるほどでした。
昨日の父の出来事で精神的にも体力的にもつらかったのに、
お店に来たら今度はみんなからもなぜか嫌煙されている。
なんともつらい状態のまま一日が終わりました。
そんな状態が数日続き、正直精神的にかなり参ってしまいそうでしたが、
ここで自分までおかしくなってしまったらいけない!と、
強く心を持ち続けて過ごしていました。
しかし、このまま自分の中でしまっておいてもいいことは何もないと決心。
心を許せる先輩に相談することにしました。
相談、といっても状況を理解してもらうことも違うような気がしたので、
ただただひたすら一方的に話を聞いてもらっていました。
あまりのつらさに途中泣きそうになりましたが、
一気にまくしたてたら、なんかすっきりしている自分に気づいたのです。
「やっぱり人に話すのはいいことだな」
聞いてくれた先輩に感謝し、次の日を迎えました。
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お店に着いてもやはりいつも通りの対応。
しかし、このまま過ごしていても何も変わらない。
「どうせ何もいいことなんかないんだから、思い切ってこっちからアクションを起こしてやろう!」
そう心に決め、早速一番話しかけやすく、前までよく会話をしていた人に話しかけました。
「先日僕がやったことでみんなに迷惑をかけちゃいましたね!なんか悪いことしちゃったなー」
そんな他愛もない内容でしたが、笑顔で「そんなことないですよ!」と対応してくれ、
元気を与えてもらったのです。
そこで勇気をもらった僕は、立て続けに皆に対して同様に話しかけ、
「勝手なことをしてすみませんでした!」
と明るくお詫びの言葉をかけていったのです。
ちょうどその日は、最初に相談した方と、厳しい言葉をかけた方がいない日でした。
ある程度仕事が片付き、落ち着いた時間に一番話しかけやすい方がそばに来て、
「Sさんは何も悪くないですよ。もう気づいているかもだけど、あの二人、ものすごく仲が悪いんです。
たまたまSさんが相談してやったことが気にくわなかっただけですよ。
Sさんが最初に相談した人、あの後みんなになんて言ってたかわかりますか?
『休憩中にくだらないことで相談なんかしてくるんだよ。貴重な時間を邪魔しないで欲しいよね。』
ひどいですよね?
実はみんなあの人を警戒しているんです。
Sさんも気を付けた方がいいですよ。」
正直僕はうれしすぎて泣きそうになってしまいました。
原因はどうあれ、みんなから嫌われているわけじゃなかった。
と同時に、このお店を改善する点も分かったのです。
今まで沈んでいたどんよりとした空気が、徐々に晴れていくのを感じました。
◆
皆さまも、内容は違えど、Sさんのように苦しい時期に陥り、
もがくことはないですか?
その時は何をすればいいのかわからない。
私は世界一不幸な人間だ。
そう考えてしまいがちです。
でも、決して一人で抱え込まないでください。
内容はわからなくとも、きっと苦しい状況で感じているつらい心はみんな同じはずです。
つまり、誰もが経験している重たい出来事だからこそ、
できるだけ心の外から出してあげる必要があるのです。
何が原因で辛いのか、詳しく理解してもらう必要なんかありません。
ただ、心の外に吐き出すことで自身の心が軽くなり、良い方に流れが変わることは多々あること。
それは心の中にある重しが無くなり、前向きに切り替わるから。
もちろん無理にとは言いませんが、できるだけ自身の負担は軽くした方がいいですよ!
■【今日の質問】
「重たい気持ちを引きずっていませんか?」
■【今日の名言】
「悩みはあって当たり前。
それは生きている証。」
(松下幸之助|実業家)
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【今日の「ヒント」】
つらい思い、心にとどめていないですか?
相手に細かい内容を伝える必要なんかない。
むしろ、話したって相手は100%理解できない。
でも、あなたが感じている苦しさは伝わるはず。
それだけで十分じゃないだろうか。
いつまでも心に留めず、つらい気持なんか外に吐き出してしまおう!
心を動かせば成長が加速するって知ってる?
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