こつこつ成長論

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コミュニケーション 組織づくり

気遣いと遠慮は似て非なるもの

投稿日:

職場を観察していると、優しすぎる人に比べて、
結構しっかりと意見を言う人の方が多くの人に好かれているように感じます。

もう少し言うと、何でも許してしまう人よりも、
ダメなことはダメとしっかり叱れる人の方が、
みんなから信用され、相談され、みんなが寄ってきているのです。

今日はこのカラクリを探ってみようと思います。

普段からニコニコ笑顔が絶えないSさん。
誰もがSさんの怒ったところを見た事がなく、
何をやっている時でも、どんなに苦しい状況でも不満ひとつ言いません。

それどころか、頼まれたことはすぐにやってくれ、
その仕上がりも完璧。

自然と困ったときはSさんにお願いしようという雰囲気が出来上がっています。

また、同じくいつも笑顔いっぱいのUさん。
根っから明るさからか、元気よくみんなと会話をしてくれるムードメーカー。

喋るだけでも楽しいので自然とみんなが集まってくるものの、
ルールに反した間違ったことをやった時には、
激しく叱られます。

そんな怖さも備えていますが、仕事が誰よりもできるので怖いながらもみんなが慕っているのです。

SさんもUさんも、職場ではエース級のすごい人たち。

みんなからの信頼も絶大で、職場にいるだけで安心感で満たされています。

そんな環境に、新たに新人が入ってきました。

==

少しおっとりしていて、天然系キャラの新人は、一生懸命頑張っています。

しかし、肝心なところでいつも間違えてしまう困ったところが。

根が真面目だけに、ある日ミスが続いて泣き出してしまいました。

こんな時のSさんとUさん、それぞれの対応を見てみましょう。

優しいSさんは、「大丈夫?気にしないで!」と、
とにかく励ましの言葉をかけ続けます。

心配なのでずっとそばにいてあげるSさん。
新人の子も次第に落ち着きを取り戻し、職場に復帰する事ができました。

面倒見はいいけど厳しい面もあるUさんは、
「どうしたの?何があったの?」と質問をしていきます。

そして、ミスが続いてしまったことを聞くと、
「そんなことで気にするんじゃないよ!みんなが通る道なんだから。」
と励まし、どこから持ってきたのかハンカチタオルを渡して、
「落ち着いたら戻ってくるんだよ。」
と言い放って職場に戻っていきました。

やり方は違えど、どちらも新人に対してしっかりケアをしていますね。

ところが、この後の新人の動きに違いがありました。

Sさんに励まされた後、温かい心で満たされた新人。
しかし、立ち直ったのも束の間、職場に戻ってすぐまた同じミスを犯してしまいました。。

一見立ち直ったように見えたのですが、心の動揺までは取り除けなかったようで、
Sさんの計らいでその日は帰宅することに。

Sさん曰く、「新人にはまだ難しかったんだよね。また元気を取り戻して、チャレンジしよう!」
さらに成長した新人に期待するのでした。

一方Uさんに励まされた新人は、「次こそ頑張るぞ!」という気持ちで戻ってきました。

そのおかげかすぐにやってきた同じような状況も無事乗り切り、
自信をつけたのでした。

この違い、わかりますか?

Sさんは、新人のことを思うあまり、遠慮して心の中にまで深入りしなかったのです。
だから新人はSさんに甘えてしまい、結局自分の能力以上のことができませんでした。

つまり、遠慮が成長を阻んでしまったのです。

方やUさんは、新人自身で考えさせ、気持ちを入れられるような状況を作りました。
その結果、一人になった新人は自ら考え、奮起して職場に戻ったのです。

その奮起した心が自身を強くし、あの瞬間で大きく成長できました。

SさんもUさんも、二人とも新人に対して最高の気遣いをした。
しかし、Sさんは新人に対して遠慮をしてしまったのです。

たったこれだけのことなのですが、新人の成長に大きな違いを生んでしまいました。

気遣いのつもりで遠慮してしまうのは、よくありがち。
特に人間関係においては、どうしても踏み込めないことがあるでしょう。

そこでしっかり相手のために行動できるかどうか。

この違いが人の成長に差をつけるのです。

もしこんな場面に遭遇したら、
相手のためにも、ぜひもう一歩踏み込んでみてくださいね!

■【今日の質問】

「遠慮していませんか?」

■【今日の名言】

「自分のことよりちょっと他人のことを考える
こんなことができる人を心豊かな人という。」
(雪山 隆弘|僧侶)

○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○o。.。o○

【今日の「ヒント」】

相手のためを思って気遣いはできる。
しかし、気を使いすぎて遠慮してしまってはいないだろうか。

気遣いと遠慮は違う。

心から相手のためを思うなら、
さらに一歩踏み込んでみるといい。

結果的に相手の成長を促すことになるだろう。

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