先日クライアントの方から相談を受けました。その時の発想の転換が素晴らしく、参考になると思いますのでご紹介します。
クライアントのTさんは、飲食店で働いています。そして、新しくやってきた上司によるパワハラまがいの言動に苦労していました。
異動して来た当初は、「君を上にあげるために本気でやっていこうと思う。」と話してくれ、期待たっぷり。しかし、徐々にその期待が崩れていきます。
一応会社にはルールがあります。
しかし、お店によって異なるレイアウトや、タイミングによっては多少やり方が異なってしまうこともあります。実際、アルバイトのみんなはベテランになればなるほど、自分オリジナルのやり方を持っているのでした。
それらは黙認しているにも関わらず、やたらとTさんにだけは口うるさくルールを守るように言ってくるのでした。
営業中忙しくなってくると間に合わなくなってしまうことが多々あるからこそ、ルールを破ることは仕方のないことであるにも関わらずです。
さらに困ったのは、ちょっとしたミスをしただけで機嫌が悪くなること。いろいろな要因を全てそのミスのせいにして、1日に何度も注意されるのでした。
悪質なのは、そのことを他のアルバイトに言いふらしているという事実。「またあいつがミスしてるよ。困ったやつだよなー」
店長本人だって普通にルールを守ってない時やミスをする時があるのに、なぜかTさんだけお叱りを受けるだけじゃなく、悪者扱いされるのでした。
また自分はよくアルバイトの子たちと談笑しているくせに、Tさんが会話しようものなら、ものすごい剣幕で怒る始末。
この傾向はTさんに対してだけでは無いようで、自分が気に入らない「ダメだ」と思い込んだアルバイトに対しても、同様に厳しい対応をしているようです。
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この店長、基本的にコミュニケーションがあまり上手ではないようで、ミーティングでも会社からのお知らせは全部配布された紙を棒読み。
説明もあまり上手とはいえないので、結局何を伝えたいのかよくわからず、会社からの連絡事項は自分でメールなりをチェックしているとか。
当然お店としてどうしていこうという方向性も全く無し。
「会社の方向性は◯◯だから、うちのお店はこうしていこう」などと明確にしてくれればわかりやすいのですが、突然思い出したかのように、この場合はこうした方がいいとその場限りの伝達ばかりなので、みんなやってることがバラバラ。
店長自身も自分で言ったことを忘れてしまっているのか、先日話したことと全く異なることをやっている始末。つまり、言動が一致していないので、Tさんも対応ができず困っているのだそうです。
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自分勝手で言動が一致していない上司。さらに差別的に仲間を扱っていて、自分に甘い人。
個人的にはよくみるタイプですが、皆さんの周りにもこういう人いませんか?
僕はTさんの話を聞いて、こんな質問をしてみました。
「もし店長がいなかったら、どんなことをやってみたいですか?」
今のTさんにとって、店長の存在自体が心を苦しめ、動きを悪くする原因になっていました。現に店長以外のアルバイトとは、仲良くできているそうで、店長不在の時は伸び伸び生き生きとやっているそうです。
仕事もできる方だからこそ、アルバイトとの関係も良好に保てるんでしょうね。
なので、上の質問をしたところ、直ぐに答えが返ってきました。
「アルバイトのみんなとは仲良くやっていけているので、お客様をもっと喜ばせるためにできることを、みんなで意見を出し合って取り組んでいきたいです!」
ものすごく前向きな答えが返ってきて、やる気と頼もしさ感じました。
Tさんは続けます。
「ただ、今の店長の元では、それどころではありません。正直あまりにも細かいことに口を出されるので、お客様を見るどころじゃないんです。全体の方向性は店長が決めることなので、『こんなことをしたい』と伝えても完全に無視されちゃいます。。」
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なんかもったいないと思いませんか?やる気があるのに、それを潰してしまう組織。
少し空気が悪くなったので、見方を変える質問をしてみました。
「話を聞いていると人間性を疑いたくなってしまいますね。ところで、なんでその人は店長になれたんだと思いますか?」
Tさんはしばらく黙り、考えていました。すると、重い口を開いた途端、店長の凄いところがどんどん出てきたのです。
・仕事が早い・Tさんのことを含め、よく全体を見ている・いざという時の対応が早くて的確・お客様への対応に間違いがない・たまに話してくれるお店への気持ちが高い・常に売上と利益を考えている・アルバイトからの信頼が厚い
この状況に自分でも驚いたようで、店長の凄いところを紙に書き留め、一つずつTさんもできるようになろうということになりました。
今まで嫌で嫌で仕方なかった人が、仕事の上で目標の人になった瞬間でした。
おそらく今後も、Tさんにとって辛い環境が続くことでしょう。
でも、今は自己成長に主眼を置くことで、嫌で嫌で仕方なかった店長を、仕事のお手本として見ることができる。この変化は非常に大きいと思います!
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数日後、Tさんにその後の状況を確認したところ、店長の態度は相変わらずだけど、Tさんの心に余裕が生まれ、仕事を楽しいと思えるようになったそうです。
むしろ今は、店長という見本がいる環境をありがたいと感じるようになったとか。
将来的には、店長が苦手な全体への発信をTさんが代わりにやることで、お店を盛り上げていくつもりだと前向きな返事が返ってきました!
あれだけ苦しみ、悩んでいたTさんが嘘のよう。
もし逆境に苦しんでいる方がいましたら、Tさんのように逆転の発想をしてみてはいかがでしょうか。
■【今日の質問】
「今悩んでいることはないですか?」
■【今日の名言】
「悩みはあって当たり前。それは生きている証。」(松下 幸之助|実業家)
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【今日の「ヒント」】
悩みは非常に苦しいもの。しかし、違う角度から考えてみると、案外解決できるもの。
自分1人で抱え込まず、信用できる人に話をしてみよう。
そこから解決策を見つけ、逆転の発想で力になる可能性があるのだから。
心を動かせば成長が加速するって知ってる?
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