コミュニケーションって、本当に難しいですよね。
相手に喜んでもらえると考えて伝えたことが、実は怒りを買ったり、悲しませてしまったり。
その時の感情を引きずってしまい、人間関係をこじらせた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これは、人それぞれ育った環境で、言葉の意味が異なっているから起こる現象なのです。
また、相手の気持ちは誰もわからないという事実を証明しています。
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朝の忙しい時間、出勤前に幼稚園の息子をバス停まで送らなければいけないKさん。
毎日起きるのも遅く、なんとか起こしてリビングまで連れてくるのですが、そこからいっこうに着替えが進みません。
いくら言っても、厳しく怒っても、毎日毎日のんびりソファーに座っています。
いい加減痺れを切らして着替えの手伝いをした後、飲むようにご飯を食べさせて、急いで支度をして連れて行く日々。
来年小学生になるのに、いつまでも赤ちゃんである息子に困り果てていました。
ある朝も、いつも通りソファーから全く動こうとしなかったのですが、その日は息子のことを考えて、手伝うことを辞めました。
「頑張って着替えたら、今日のお弁当にデザートを入れてあげる!」
ご褒美でやる気を出す作戦です(笑)
しかし全く動く気配がありません。
ついに痺れを切らしたKさんは、「幼稚園に行きたくないんだね。じゃあ、もう着替えなくていいよ。」そう言って、自分の準備を始めました。
それでも動かないので、「いい加減にしなさい!早く着替えなさい!!」と強い口調で伝えたところ、ようやく動き始めたのです。
何とかご飯までたどり着いたのですが、食べている時にKさんの気持ちを伝えたのでした。
「なんでお母さんが怒っているかわかる?お母さんはあなたに喜んでもらおうと、デザートを付ける約束をしたの。でも、あなたは約束を破ろうとした。そんなあなたの態度を見て、お母さんはとっても悲しい思いをしたの。ちゃんと着替えないで、お母さんと約束を守ろうとしなかったこと、いいことだと思う?」
すると息子は、ご飯を食べながら首を横に振りました。
「わかってくれたんだね。じゃあ、急いで食べちゃいなさい。」
すると、今までゆっくりだったモグモグがスピードアップ。あっという間にご飯を食べ終わりました。
「すごい!早く食べられたね。頑張ってくれて、お母さんはうれしいな!」
満面の笑みを浮かべながら、息子を褒めてあげました。
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お子さんがいる家庭では、よくある光景だと思いますが、どこか違和感を感じた方もいるかもしれません。
それは忙しい中での、お母さんであるKさんの対応です。
そんな優しい対応なんかできない!
きっと、そう感じた方もいることでしょう。
実はこの時のKさんの対応は、自分主体のメッセージなのです。
途中までは、・あなたのために急いでもらいたい・あなたが幼稚園に送れちゃう・小学生になった時のあなたが心配
そんな風に、相手主体で考えていた結果、ついつい口調を強めてメッセージを伝えていました。
しかし、食事中に・私はあなたのその態度が悲しい
と、自分主体に切り替わりました。
さらに、・頑張ってくれて(私は)うれしい!
と、やはり自分がどう感じたか、どう思ったかを、ストレートに伝えたのです。
こういった場面では、おそらく多くの方が、相手主体のメッセージを送り続けていたのではないでしょうか。
そして、最終的に力づくで子供を連れて行く。
その結果、なんとなく相手との関係がギクシャクしてしまい、親子であればその後の関係が出来上がってしまうんですね。。
これが職場であれば、さらに状況は悪化してしまうでしょう。
特に上司と部下の関係でよく見られる光景であり、お互いに理解しあえないまま、距離感のある関係が出来上がります。
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相手を責めるのではなく、私はどう感じたか。
何か重要なことを伝えたい時や、しつけたい場面などで、ぜひ自分主体のメッセージを試してみてくださいね!
■【今日の質問】
「あの人の言動、あなたはどう感じましたか?」
■【今日の名言】
「垣根は相手がつくっているのではなく、自分がつくっている。」(アリストテレス|哲学者)
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【今日の「ヒント」】
相手に大切なメッセージを送りたい時、自分がどう感じたかを伝えると良い。
子供や部下だって、心があるんです。だからこそ、その心にあなた自身の気持ちをわかってもらうことが大事。
自分自身の心の中を見られるのは恥ずかしい。そんな風にためらってはダメ。
積極的に相手に伝えて心と心を繋ぎ、気持ちを分かち合いましょう!
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